BURRN!誌のレビューで0点を獲得したことで有名な、
早稲田大学フォークソングクラブ(WFS)出身バンド、
聖飢魔IIのデビュー作。KISSばりの白塗りメイクに
JUDAS PRIESTばりのスタッド・レザーという過激なコスチューム、
邪悪でおどろおどろしいワードを多用した歌詞など、
ヘヴィ・メタルの持つ悪魔的なイメージを極端にデフォルメしたスタイルが
ヘヴィ・メタルに対する「冒涜」と映ったことが「0点」の原因であり、
実際意図的に「笑い」を意識した箇所も歌詞の面では見られるのだが、
音楽的には非常にピュアで正統的なヘヴィ・メタルである。
JUDAS PRIESTやIRON MAIDENのファンであれば、
イントロである#1「魔王凱旋」から劇的なスピード・チューン
#2「地獄の皇太子」の流れでグッと来るはずである。
#5「悪魔組曲」も各パート非常にカッコよく、
Voであるデーモン小暮が逆立ちして歌う「天地逆転唱法」など、
ユニークなライヴ・パフォーマンスと一体化した一大劇的
メタル・エンターテインメント大作である。曲数が少ないのが物足りないが、
非常に高品質の正統派HM作品。なお、当時まだデビューにあたっての
構成員(メンバー)が流動的であったため、本作では当時同じ事務所に所属していた
フュージョン・グループPRISMのメンバーが演奏を担当したといわれている。
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